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コラム

2010.02.25
春の大掃除

 日本で大掃除といえば、年末に行うもので、気持ちよく新年を迎えるための昔からの習慣となっていますが、欧米の大掃除は春に行います。時期は、冬から春へと季節が移り変わる3月末から4月で、1週間から2週間かけて行う大掃除を「Spring Cleaning」と言います。

「Next morning she got up very early and began a spring cleaning which lasted a fortnight.
(つぎのあさ、おくさんはとてもはやくおきだして、はるの大そうじをはじめましたが、この大そうじをすますのには、2しゅうかんかかりました。)」

 引用:「The Tale of Mrs. Tittlemouse」Beatrix Potter 訳:石井桃子

 『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』のチュウチュウおくさんが、春の大掃除を行うシーンです。春になり冬眠から目覚めたばかりの昆虫たちが、いつもきちんと整ったおくさんの家の中の餌を求めて汚していくためです。

 おくさんの春の大掃除の様子はといいますと、まずは床を掃き、その床をブラシでごしごしとこすり、辺りのホコリをぞうきんで拭き取ります。これで終わりかと思ったら、使い込まれた家具をやテーブル、椅子などをハチの蝋(蜜蝋)で艶が出るまで磨きあげ、錫(スズ)製のスプーンをフランネルの布でピカピカになるまで磨きます。

 作者のビアトリクス・ポターが生まれ育ったロンドンの生家でもまた、春になると2週間ほどかけて大掃除を行いました。その間、ポター家は春の休暇として、イングランドの南部の港町に出かけました。夏の数カ月に及ぶ休暇は、ロンドンより涼しい北部にあるスコットランドや湖水地方に出かけましたが、春の休暇は暖かい場所を好んだようです。

 本年2010年は、「The Tale of Mrs. Tittlemouse」の出版100周年記念となります。春の大掃除を兼ねて本棚に眠っているおはなしを取り出し、読み返すことにいたしましょう。

のねずみチュウチュウおくさんのおはなし   春の大掃除の様子
『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』原書1910年(刊)日本語版1972年(刊)     春の大掃除の様子。
  小さなスプーンを磨いています。

ラピータ
ラピータの部屋


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