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2010.07.01
ビアトリクス・ポターが描いた「ふくろうくんと子猫ちゃん」
前回のコラムは「不思議な国のアリス」についてでしたが、今回はエドワード・リアの作品について紹介したいと思います。
「The Owl and The Pussycat」エドワード・リア(著) 1871年出版
(邦題は、「ミミズクとネコのミミー(1976年)ほるぷ出版(刊)」や「ふくろうくんと子猫ちゃん(2005年)青心社(刊)」など)
エドワード・リアは、英語の韻を踏む詩を生み出す第一人者で、ナンセンスでありえない内容を、滑稽なイラストと共に「ナンセンスの絵本」として親しまれています。その彼の作品「The Old and The Pussycat」は、ふくろうと子猫が登場する詩で、物語としても十分に通じる楽しい内容で、現代に語り継がれる名作です。
ビアトリクス・ポターは4歳半の時にこの作品に出会いました。その後、8枚の絵からなるイラストに、エドワード・リアの詩を書き込み1冊の本のように仕上げました。
![]() 「The Owl and The Pussy-cat」表紙。「Words Poem Edward Lear : Nonsense Book」と書きこまれています。 |
![]() 3ページ目の挿絵。 |
![]() 5ページ目の挿絵。 |
![]() 7ページ目の挿絵。 |
(これらの作品は、The V&A Museum蔵)
ふくろうくんと子猫ちゃんは、きれいな緑色のボートに乗り海へと漕ぎ出します。船にはハチミツと5ポンド紙幣でくるんだたくさんの小銭があります。ふくろうくんは星空を見上げ、小さなギターを弾きながら歌を歌います。可愛い子猫ちゃんに恋する歌を。(3ページ目の挿絵参照)
子猫ちゃんは、その素敵な歌声に結婚を約束してくれますが、困ったことに結婚指輪がありません。そうしてボートはボング樹生える島にたどりつきます。その島には、1匹の小ブタが住んでいて(5ページ目の挿絵参照)、彼の鼻にかかるリングを1シリングで譲って欲しいと交渉するフクロウくん(7ページ目の挿絵参照)。こうして結婚指輪を手に入れたふくろうくんと子猫ちゃんはめでたく結婚するという内容です。ナンセンスでありながら、とても微笑ましくロマンチックな内容に心が惹かれます。
ポターは、1冊の作品として仕上げるだけでなく、家庭教師だったアニー・ムーアの息子ノエルとエリックに、絵手紙の題材としてふくろうとねこの詩を書き送ります。やがて、ポターが64歳となった1930年9月に『こぶたのロビンソンのおはなし』が出版されますが、「ふくろうくんと子猫ちゃん」がおはなしの題材となり、第2章はこの作品を引用するところから始まっています。
船は1年と1日海をゆき
ポング樹のはえている島につきました。
森の中には 小ブタが1ぴき
小ブタが1ぴき立っていて
その小ブタの鼻の先には
鼻の先には、ワがはまっていた
鼻の先には、ワがはまっていた
『こぶたのロビンソンのおはなし』より
ところで、ギターを弾くフクロウについて、ポターはこのような弁明をしています。「手があるフクロウなんてへんですが、手がながかったらギターは弾けませんものね」と。
参照: 「ビアトリクス・ポター ピーターラビットと大自然への愛」リンダ・リア(著)黒川由美(訳)ランダムハウス講談社 2007年(刊)、他
ラピータ
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