2010.08.05
ポター動物園(その8)
こども動物自然公園の「ピーターラビットの森」には、ポターのお話に登場する動物たちが飼育されています。「ティギーおばさんのおはなし」には洗濯屋に扮したヨーロッパハリネズミが登場するので、もちろんハリネズミも飼育されています。こども動物自然公園ではハリネズミの繁殖に力をいれ、これまでに飼育した4種類すべての繁殖に成功しています。東アジアに住むマンシュウハリネズミ、西アジアのオオミミハリネズミ、アフリカのヨツユビハリネズミ、南アジアのブラントハリネズミです。そのうちマンシュウハリネズミとブラントハリネズミの2種類は国内で初めての繁殖記録に対し、社団法人日本動物園水族館協会から繁殖賞を受けています。もちろん、これなに沢山のハリネズミの飼育繁殖を試みたのは日本ではこども動物自然公園しかありません。どうしてでしょうか、たぶん私たちがハリネズミ好きだからでしょうね。
ハリネズミの仲間はヨーロッパから東アジアまで広く分布していますが、日本では見られません。特にイギリスの人たちが、庭にミルクを入れたお皿を置いておくとハリネズミが飲みに来るなどという話をするたびに、その光景を頭に浮かべてハリネズミ好きとしては、たいそううらやましく思っていました。
ところが日本国内でもハリネズミが見られるようになりました。新種がみつかったのでも、新しい産地が見つかったのではありません。ペットとして輸入されたものが逃げ出したり捨てられたりしたのか、日本に住み着いてしまいました。今、日本ではアライグマなど外国産の動物が住みつき、さまざまな問題を引き起こしています。「外来種」とよびその駆除が必要とされています。残念ながらヨーロッパハリネズミの仲間も外来種に指定されてしまいました。もし飼育するなら法律で決められた絶対に逃亡しないような厳重な飼育舎が必要です。「ピーターラビットの森」では木の根元の簡単な囲いに昼間だけハリネズミを放して飼育しています。ヨーロッパハリネズミに近い東アジアのハリネズミを見せたいのですが、残念ですがアフリカ産のヨツユビハリネズミで我慢するしかありません。勝手に日本に運ばれ、挙句の果ては外来種としてエイリアンの烙印を押されてしまうハリネズミがちょっと可哀想です。

動物園で飼育しているハリネズミ
園長 日橋一昭
埼玉県こども動物自然公園





