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コラム

2010.08.19
環境保護活動

 2010年度より「Japan Visitor Paybak Project制度」がスタートしました。これは、日本から湖水地方へ行くツアーに参加すると、湖水地方の環境保護活動として5ポンドが寄付されるというものです。といっても、湖水地方のツアーすべてにこの制度が活用されるのではなく、あくまでエコツーリズムとしてエコをテーマとしたツアーに参加された方のみツアー料金に寄付も含まれるものだそうです。

 まず日本人のツアーからこのような制度がスタートしたのは何故なのでしょう?主催者の説明によりますと、英国国内、もしくは欧米諸国から訪れる観光客は、日本とは違い圧倒的に個人で湖水地方に訪れる方が多く、環境保護のための寄付も当たり前のようにおこなわれているのだとか。しかし、日本はその大半が、旅行会社の企画するツアーで訪れ、寄付制度のことは知らされることなく帰国してしまいます。そこで、環境保護の意識が高い日本人向けに、ジャパン・フォーラムと旅行会社がエコツーリズムというツアーを企画し、湖水地方の環境保護のため寄付できる制度が誕生したのです。今後この制度は、各国のツアー客にも同様に広がっていくことを目指しているようです。

 エコツーリズムがどのようなツアー内容なのかは、主催のジャパン・フォーラム<http://www.kosuichihou.com/>の方で未発表のため分かりませんが、こちらのツアーに参加すると特典としてピーターラビットのピンバッチが準備されているとか。

 ビアトリクス・ポターは、開発と称して自然破壊されることを拒み、絵本で得た利益を土地購入に充てました。しかし、1927年ウィンダミア湖のほとり、コックショット・ポイントの土地が売りに出された時、その土地を購入するための資金が足りず、アメリカの友人に支援の手紙を送りました。

 「(前略)多くの親切なアメリカ人が、自国のツアーで、ピーターラビットに会いに湖水地方に訪れるようにしてください。ここを訪れる人々が1ギニー(英国の昔の通過で、1.05ポンドにあたる)を与えてくださるだけで、この敷地を救う資金になると思いませんか?お礼にサイン入りの挿絵※ を用意し(中略)そこは、ウィンダミア湖の敷地の2分の1マイル(800mほど)にすぎません。しかし、ウィンダミア湖の中央右側のもっとも美しい場所で、私の家の近くでもあります。」

 その当時、「The Tale of Peter Rabbit」を読んだアメリカの読者が、絵本の舞台となった湖水地方へ旅するという方が増え始め、ツアー客にほんの一握りのお金を落としてもらい、土地購入の資金に役立てようとポターは奔走したのです。

 ほどなくして、コックショット・ポイントは、森林と牧草地がつらなる美しい景観を維持することができました。現在はナショナル・トラストが管理し、ウォーキングが楽しめるようフットパスがついています。

 湖水地方の美しい景観を誰もが共有し、いつ訪れても楽しむことができるのは、その景観を引き継ぎ保護活動をしながら次の世代に引き継ぐという地道な作業があってからこそ。そのためには、大勢の人の手も借りなければならないし、資金も必要となります。エコツーリズムの寄付金は、こうした自然保護活動を維持する大切な根っこの部分になるのですね。

 ポターが資金集めのために描いた原画「Peter Rabbit and Family(1927年)」は、大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館(埼玉県東松山市こども動物自然公園内)にて展示されています。

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ラピータ
ラピータの部屋


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