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コラム

2010.09.02
ハードウィック・ローンズリーの教会

湖水地方でもっとも多く観光客が訪れる場所は、ヒルトップ農場のあるニア・ソーリー村でありましょう。ビアトリクスは絵本の挿絵に、この農家はもとより、村の景色などを数多く描きました。

ポター愛好家にとっては、ニア・ソーリー村は「第一番目の巡礼の地」と言えるでしょう。そしてその次に訪問したいと思うのは、レイ・カースルという大きなお城のような屋敷に違いありません。ビアトリクスが家族と一緒に、始めて湖水地方に訪れたときの滞在場所なのですから。

この時、父親のルパートを訪ねて、たくさんの訪問客がやってきました。その中のひとりにハードウィック・ローンズリー牧師がいました。ブリストルから湖水地方のレイ区の教区牧師として赴任していた彼は、この地の自然の美しさに魅了され、自然保護、文化保護を実行しようとしていました。当時16歳であったビアトリクスが彼から受けた影響は多大なもので、長じて湖水地方の自然環境を守るために奔走したことは、ここであらためて言うまでもないでしょう。

このようにビアトリクスに大きな影響を与えたローンズリー牧師ですから、愛好家たちは彼のゆかりの地も気になることでしょう。ケズウィックにある「クロスウェイト教会」は、ビアトリクス・ポターやナショナル・トラスト関係の書籍にしばしば登場します。この教会は「ナショナル・トラスト」設立者のひとりとして永遠にその名を残すこととなったローンズリーが長く牧師をつとめていたところですし、彼が眠るお墓もあります。

しかし、意外と(というよりも、今まで関係書などでも目にしたことがなく)意が注がれることのない教会があります。「聖マーガレット教会」です。最初に書きましたが、ポター家の人びとが最初にローンズリーに会ったとき、彼はレイ区の教区牧師でした。実はこれまで、この教会の所在地がはっきりとせずにいたのですが、昨年の夏、探しに探して、ようやく(?)たどり着きました。「灯台下暗し」と言いましょうか、この教会はレイ・カースルへの入口にある大きな正門の脇にその身を隠すように建っています。現在は、毎週のミサも行われない教会ですが、レイ・カースルを訪れるときは、ぜひとも訪れて欲しいスポットです。

レイ・カースルの正門
レイ・カースルの正門

レイ・カースル
レイ・カースル

聖マーガレット教会
聖マーガレット教会

河野芳英(大東文化大学・文学部・英米文学科教授)
大東文化大学:ビアトリクス・ポター資料館


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